防風通聖散は中医学の古典にも登場する漢方薬です。漢方薬は生薬をブレンドしてできていますが、主な生薬は防風や大黄、麻黄などです。名前は生薬の防風と、聖人を意味する通聖からとられました。効能は堅田の熱を冷まし、水のめぐりを良くすることです。その結果、便秘を解消し肥満を改善すると言われています。他にはのぼせや肩こりにも効きます。糖尿病や腎臓病にも効果があるとされています。肥満解消に使用するならば、太鼓腹の人が最適です。いわゆる隠れ肥満や固太りタイプになると効能が小さくなります。肥満にもタイプがあり、効果的なダイエットが人によって違うことと関係がありそうです。使用しないほうがいいのは虚弱体質の人と胃腸が弱い人、多汗症の人です。体力があるものの水循環が悪い人に防風通聖散は向いています。他には麻黄に交感神経刺激薬が入っているから、循環器に持病がある人はやめたほうがいいでしょう。心臓や血管に刺激が入るとトラブルを引き起こすリスクがあります。ちなみに麻黄は危険薬物の原材料であり、使用には注意が必要です。飲み合わせにも気をつけなければなりません。交感神経刺激薬との併用は、医師に相談してから行うことが欠かせません。他の漢方薬との飲み合わせもリスクがあります。副作用としては間質性肺炎や肝臓の症状、腸間膜静脈硬化症などがあります。肝臓の調子が悪くなると黄疸や茶褐色の尿が見られます。防風通聖散が合わないおそれもあるため、初期症状は意識してチェックするのが賢明です。その点は西洋薬と同じです。