あなたは、人間の性欲は動物的本能ではないと言ったら、どう思いますか。
よく性に奔放に生きてきた男性の言い訳に「性欲は動物的本能だから、人間性には関係ない」というのを聞くかもしれませんが、これは、大変な誤解なのです。
人間の性行動は動物の性行動とは違い、厳密にいうと本能ではありません。
■性行動は本能ではない
本能を辞書で調べると「生まれつき持っている性質・能力。動物が経験や学習なしに外界の変化に対して行う、先天的に備わった一定の行動様式」とあります。
性欲とは、セックスやセルフプレジャーなど性行動を取ろうとする欲求のことです。
こういうことは、わざわざ学校や講習会などで教わらなくても、誰でも自然にできるから本能だろう、となんとなく漠然と思っています。
けれど、わざわざ教わらなくてもできるようになるというのは、母国語の話し言葉も同じなのです。
■話し言葉と性行動は同じ
そして、言葉を話す能力は本能だと言いません。
なぜならそれは、生まれつき備わっているものではなく、赤ちゃんが周りの人間をまねるという学習努力によって身につけるものなのです。
性行動もこれと同じく、生まれつき備わっている能力ではなく、後から身につけるものだという事実が野生児たちの行動で証明されています。
野生児とは18世紀から20世紀にかけて、世界各地で発見された狼少女と呼ばれた少女たちや赤ちゃんの頃から人間のいない環境で育ってしまった少年少女たちです。
彼らは、第二次性徴があらわれても、まったく性行動への欲求をしめすことがなかったそうです。
彼らの共通点は発見されたとき、人間としての話し言葉を身につける臨界期を過ぎていたことでした。
そのため、どんなに懸命に専門家が教えこんでも、よくても幼児以下の片言を話すのが限界だったのです。
■人生の最初の時点で人間社会に入ることが大切
つまり、人生の最初の時点で人間社会に入れないと、言葉を見つけられず、性欲も生まれないという関連性を見いだすことができます。
ということは、人間のセックスは生まれつきの本能ではなく、社会的に学習された意志的なものなのです。
なので、人は、その時育った社会で発信されているセックスのイメージをそのまま吸収して、まねするようになります。
人間は動物と違い発情期がなく、年中発情しているので節操がないといわれますが、この世界では年中、不特定多数者に向かって、セックスをそそのかす刺激が発信されているためです。
人間共通の発情期が決まっていないおいうことは、それこそ人間のセックスが単純な本能とは違い、別の目的を持たされた行動だから、ということに他なりません。
それでは、その目的とは何なのでしょうか。
こちら「女性なら知っておきたい、セックスの真実?自分の力を引き出す秘訣とは??(前半)」に続きます。